四季と家

ひと昔前に比べて、何だか季節感がなくなったなあ。
皆さんはそう思ったことがありませんか。
最近は異常気象だから、との声が聞こえてきそうですが、
果たして本当にそれだけなのでしょうか…。

ここ福岡市は三方を山に囲まれ、北に玄界灘を臨む福岡平野のほぼ中央に位置しています。年間の平均気温は約17度、年間降水量は約1,300ミリで、米国南部沿岸やヨーロッパ中・南部の気候に近い温暖なまちです。

とはいえ、夏の最高気温は30度を超え、冬の最低気温は0度を下回るなど、気温や降水量は季節ごとに大きく異なります。もう少し詳しく言うと、春はポカポカ陽気の中、埃っぽい風が多く吹き、6月から7月にかけて雨期が訪れます。梅雨明け後、夏には湿気を伴った強い陽射しが容赦なく照りつけ、穏やかで過ごしやすい秋が過ぎると、9月から10月は台風シーズン。冬になると雨が多くなり、南国九州とは思えないくらい寒くなります。雪が積もるのも決して珍しいことではありません。それなのに季節感が乏しく感じられるのはなぜでしょう。

福岡だけに限ったことではありませんが、街を眺めていて常に疑問に思うことがあります。もしかしたら、これを読んでいる皆さんの多くは、疑問に思わないかもしれません。それは、大半の住宅が敷地の境界線と平行に建っていること。

これが「四季」とどう関係しているかと言うと…ご存知のとおり、太陽は季節によって高度が異なります。夏至が最も高く、冬至が最も低くなるわけですね。その角度の差は実に50度にも及びます。同様に、日の出と日の入りにも大きな季節差が生じます。夏至の太陽は、東から30度北寄りに昇り、西から28度北寄りに沈みます。一方、冬至では東から30度南寄りに昇り、西から30度南寄りに沈むのです。太陽は東から昇り、西へ沈むという通説は、現実にはずいぶん異なっているのです。

このように季節ごとの太陽の動きや特性を無視して家を建てるということは、最悪の場合、陽射しを遮りたい夏にモロに太陽を浴び、家の中に日を取り入れたい冬に、日が入りにくくなってしまうのです。思わずその家庭の冷暖房費のことまで心配になってしまいます。

現代の住まいを考える